コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方
当社は、「社会の公器としての使命を果たす」という企業理念のもと、「グループ各社の専門性を磨き、お客様の企業価値拡大に貢献し、社会になくてはならないグローバル企業であり続ける」を目指す姿としています。またサステナビリティ基本方針および5つからなる行動指針(Value、Integrity、Professionalism、Diversity、Judegment)のもと、株主の皆様をはじめとする各ステークホルダーに対しグループ全体の持続的な成長と社会的な存在価値および中長期的な企業価値を向上させるため、倫理・コンプライアンス規程を制定・施行し、役員ならびに従業員が法令・定款等を遵守することの徹底を図るとともに、リスク管理体制の強化にも取り組むなど、内部統制システムの改善を図り、コーポレート・ガバナンスの更なる充実に努めています。
コーポレート・ガバナンスに関する基本方針/コーポレート・ガバナンス報告書
https://www.takara-company.co.jp/ir/policy/cg.html

取締役会
取締役会は、当社の規模等に鑑み機動性を重視し、社外取締役4名を含む7名の体制をとっています。取締役会は原則月1回の定例取締役会のほか、必要に応じ臨時取締役会を開催し、法令で定められた事項や、経営に関する重要事項を決定するとともに、業務執行の状況を監督しています。
取締役会は、株主からの委託を受け、中長期的な企業価値の向上を通じて自らの利益の増進を図る全ての株主のために、当社のサステナビリティを巡る取り組みについて多角的な視点に基づいた議論を行うとともに、効率的かつ実効的なコーポレート・ガバナンスを実現し、それを通じて、当社が持続的な成長と社会的な存在価値および企業価値を向上させることについて責任を負います。取締役会は、この責任を果たすため、人的資本・知的財産への投資等の重要性に鑑み、これらをはじめとする経営資源の配分や、事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、当社の持続的な成長に資するよう、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保するとともに、当社が直面する重大なリスクの評価および対応策の策定、ならびに当社の重要な業務執行の決定等を通じて、当社のために最善の意思決定を行います。
取締役会は、グループ全体の内部統制を確保するための体制を整備するとともに、内部監査部門を活用し、内部統制の運用状況を監督します。取締役会は、執行役員に対する実効性の高い監督を行うことを主要な役割・責務の一つと捉え、適切に会社の業績等の評価を行い、その評価を執行役員の人事に適切に反映させるものとします。
監査体制及び監査の状況
監査役会は常勤監査役1名、社外監査役2名の計3名体制をとっています。各監査役は監査役会が定めた監査役監査基準、監査計画に基づき、業務の執行の適法性について監査しています。社外監査役2名は弁護士及び公認会計士であり、専門的見地から監査を行っています。
当社の内部監査体制は、内部監査部門としてCSR部3名を設置し、会社法および金融商品取引法上の内部統制システムの整備・改善および業務の遂行が、各種法令や、当社の各種規程類および経営計画などに準拠して実施されているか、効果的、効率的に行われているかなどについて被監査部門およびグループ会社を対象に調査・チェックし、指導・改善に向けた内部監査を行っています。
監査役および内部監査部門であるCSR部は相互の監査計画の交換ならびにその説明・報告、業務の効率性(財務報告の適正性を含む)の状況、会社法および金融商品取引法上の内部統制への対応等CSR経営全般について連携して監査を実施しており、その結果については代表取締役および取締役会ならびに監査役会へ定期的に報告しています。
また、監査役および会計監査人は、相互の監査計画の交換ならびにその説明・報告、定期的面談の実施による監査環境等当社固有な問題点の情報の共有化等を連携して行い監査の質的向上を図っています。
社外役員及び任意の委員会
社外取締役は、取締役会などにおける重要な業務執行に係る意思決定プロセス等において当社の業務執行を行う経営陣から独立した中立的な立場から経営判断をしていただくために、幅広い、且つ奥行きのある豊富な経験と高い見識を有する方を選任するものとしています。
社外監査役は、取締役会などにおける重要な業務執行に係る意思決定プロセス等において一般株主の利益に配慮した公平で公正な決定がなされるために、公認会計士、弁護士としての専門的な知識や経験などを有する方を選任するものとしています。
当社は、取締役の指名(後継者計画を含む)・報酬等に係る取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化するため、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする指名・報酬委員会を設置し、指名・報酬等の特に重要な事項に関する検討に当たり、適切な関与・提言を得るものとしています。
また、高まる情報セキュリティの重要性から、より厳格で当社グループに最適な情報管理体制を再構築することを目的とし、取締役会の諮問機関として当社取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員に含む情報セキュリティ委員会を設置しています。
さらに、取締役会の諮問機関として当社取締役会の下に独立社外取締役や社外有識者を主要な構成員に含むサステナビリティ委員会を設置しています(P.50参照)。
当社は、取締役会の下に独立社外役員を構成員とする独立社外役員会を設置し、独立した客観的な立場から当社の事業およびコーポレート・ガバナンスに関する事項等について自由に議論し、会社の持続的な成長を促し、中長期的な企業価値の向上を図るための提案および助言を行うこととしています。
執行役員・経営会議
当社は、経営と執行の適切な役割分担を図るため、執行役員制度を導入しています。
執行役員は、取締役会からの権限委譲により業務執行を行います。
当社は取締役会への付議事項の事前審議および取締役会の決定した基本方針に基づき、その業務遂行方針・計画・重要な業務の実施等に関する協議機関として、常勤取締役および常勤監査役、主要な子会社の取締役常務執行役員以上をメンバーとするグループ経営会議を原則月1回開催しています。
コーポレート・ガバナンス体制の概要
組織形態 | 監査役会設置会社 |
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取締役会議長 | 堆 誠一郎 |
取締役人数 | 7名 うち社外取締役4名 |
女性取締役人数 | 2名(社外) |
取締役の任期 | 1年 |
取締役会開催回数 | 14回/年(第87期) |
監査役人数 | 3名 うち社外監査役2名 |
監査役会開催回数 | 13回/年(第87期) |
社外役員選任理由など
役職及び氏名 | 選任理由 | 出席状況 | 重要な兼職の状況 |
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取締役 井植 敏雅 |
他社の代表取締役をはじめとする要職を歴任し、経営者としての豊富な経験と幅広い知見を有しているため | 取締役会14/14回(100%) |
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取締役 関根 近子 |
大手化粧品会社の執行役員として培われた経験に加え、他社の代表取締役および社外取締役を務めるなど、豊富な経験と幅広い知見を有しているため | 取締役会14/14回(100%) |
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取締役 椎名 茂 |
グローバル企業における経営者としての豊富な経験に加え、M&Aや情報技術に関する幅広い知見を有しているため | 取締役会14/14回(100%) |
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取締役 川島いづみ |
ディスクロージャー事業においてかかわりが深い金融商品取引法、会社法を大学研究機関において長きに渡り専門領域とし、また英国、米国の会社法にも十分な知識を有しているため | 取締役会10/10回(100%) (2023年8月就任) |
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監査役 松尾 信吉 |
公認会計士として企業会計などに関する豊富な専門的知見と他社での社外監査役としての経験を有しているため | 取締役会14/14回(100%) 監査役会13/13回(100%) |
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監査役 高野 大滋郎 |
弁護士として国内外の企業法務、IPOに関する豊富な専門的知見を有しているため | 取締役会14/14回(100%) 監査役会13/13回(100%) |
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各役員が保有する主要なスキル
氏名 | 企業経営/ 経営戦略 |
財務・会計/ M&A |
ディスクロージャー 営業/金融 |
通訳・翻訳/ グローバル |
ESG/ ダイバーシティ |
法務/ コンプライアンス |
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取締役 | 堆 誠一郎 | ● | ● | ● | ● | ||
野村 周平 | ● | ● | ● | ● | |||
白井 恒太 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
井植 敏雅社外独立 | ● | ● | ● | ● | |||
関根 近子社外独立 | ● | ● | ● | ● | |||
椎名 茂社外独立 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
川島いづみ社外独立 | ● | ● | ● | ● | |||
監査役 | 菅谷 憲利 | ● | ● | ● | |||
松尾 信吉社外独立 | ● | ● | ● | ● | |||
高野 大滋郎社外独立 | ● | ● | ● | ● | ● |
項目のご説明
- 企業経営/経営戦略
- 企業経営の経験やリスクマネジメントの知見を有する
- 財務・会計/M&A
- 有資格者および財務・会計の知見やM&Aの経験を有する
- ディスクロージャー営業/金融
- ディスクロージャーの営業経験や金融商品・金融分野の知見が豊富である
- 通訳・翻訳/グローバル
- 通訳・翻訳事業の経験や業界知見および海外事業展開や外国企業とのビジネス経験を有する
- ESG/ダイバーシティ
- 環境、社会貢献活動や、企業ガバナンス等の知見、多様な働き方等への知見を有する
- 法務/コンプライアンス
- 有資格者および法律の知見やコンプライアンスへの知見を有する
取締役会の多様性・規模に関する考え方(関連CGコード 4-11①)
当社の取締役は、優れた人格、見識、能力および豊富な経験とともに、高い倫理観を有している者でなければならず、取締役会を構成する者の多様性に配慮することとしています。当社の取締役会の人数は3名以上9名以下とし、そのうち3分の1以上は、独立社外取締役とし、全ての取締役の任期は1年であり、毎年、株主総会決議による選任の対象となります。
補欠取締役を含む取締役の候補者は、指名・報酬委員会から助言を得て、上記の定めに従い選定し、独立社外取締役の候補者については取締役の資格に加え、当社の業務執行を行う経営陣から独立した中立的な立場から経営判断を行うために必要な幅広く且つ奥行きのある豊富な経験と高い見識を有する者とし、東京証券取引所の定める独立性判断基準を踏まえ、取締役会で決定します。
取締役会は、経営戦略に照らして自らが備えるべきスキル等を特定したうえで、取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性等に関する考え方に即して取締役のスキル・マトリックスを作成しております。
取締役会の実効性評価(関連CGコード 4-11③)
当社は、年度ごとの取締役会全体の実効性について、取締役会における各取締役の自己評価をベースとして分析・評価した結果の概要を開示することとしております。
第87期(2024年5月期)の取締役会の実効性については、1.取締役会の構成等、2.取締役会の審議状況、3.今後の課題等について、各取締役の自己評価を記名式のアンケートにより集計し、これをベースとして取締役会において分析・評価を行った結果、おおむね実効性が確保されているという結論に達しました。
もっとも評価できる点としては、前年度に引き続き自由闊達な議論が行われる風土が醸成されていること、また、審議内容が経営上の重要性といった質的重要性の観点を踏まえたものとなっていることがあげられました。一方で、グローバルな企業戦略の方向性についてより一層の検討が必要ではないかとの指摘もありました。
今後も、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していけるように取り組んでまいります。
役員の選解任方針(関連CGコード 3-1(ⅳ))
当社の取締役は、優れた人格とともに当社の経営を的確、公正かつ効率的に遂行できる見識、能力および豊富な経験とともに、高い倫理観を有している者でなければならないものとしています。また、当社は、取締役会を構成する者の多様性に配慮しています。なお、全ての取締役は、その任期を1年とし、定時株主総会決議による選任の対象としています。補欠取締役を含む取締役の候補者は、指名・報酬委員会から提言を得て、上記の定めに従い選定し、独立社外取締役の候補者については取締役の資格に加え、東京証券取引所の定める独立性判断基準を踏まえ、取締役会で決定します。
当社の監査役は、優れた人格ならびに取締役の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行できる見識、能力および豊富な経験とともに、高い倫理観を有している者でなければならず、かつ、財務・会計・法務に関する適切な知見を有している者でなければならないものとしています。また、当社は、監査役会を構成する者の多様性に配慮しています。補欠監査役を含む新任監査役の候補者は、上記の定めに従い指名・報酬委員会から提言を得て選定し、監査役会の同意を経た上で、取締役会で決定します。
取締役に法令違反等があった場合またはその職務に関し任務懈怠が認められる場合は、適時に指名・報酬委員会で審議を行い、取締役会において指名・報酬委員会での審議内容を踏まえ、解任について審議するものとします。
監査役および執行役員の選解任についても、取締役の選解任と同様に取締役会で決定するものとします。
役員のトレーニング方針・サポート体制(関連CGコード 4-14②)
取締役および監査役は、その役割を果たすために、当社の財務状態、法令遵守、コーポレート・ガバナンスその他の事項に関して、常に能動的に情報を収集し、研鑽を積まなければならないものとしています。
また、取締役および監査役は、経営を通じて法令、金融商品取引所等自主規制機関のルールや法定開示、自主規制機関の要請する開示あるいは任意の開示の動向や実態に習熟するものとし、当社は取締役及び監査役に対するトレーニングに必要な機会を提供するものとしています。
社外取締役のサポートについては、総合企画部が担当し、社外監査役のサポートについては、常勤監査役が対応しています。
また、取締役会ならびに監査役会開催の都度、原則として事前に関係資料を配布するほか、適時社内通知等の配布をするなど情報伝達に努めております。
政策保有株式(関連CGコード 1-4)
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、取引先との関係の維持・強化など事業戦略上の目的から保有する株式を政策保有目的と区分し、それ以外の資産運用を目的として保有する株式を純投資目的と区分しています。
当社では、政策保有株式は、当社グループの営業上の取引関係の維持、強化、連携等による企業価値向上を目的としており、企業価値向上の目的に照らして総合的に判断し、保有意義が認められない場合は、原則として売却することとしています。
当社は、当社グループにおける個別の銘柄ごとの営業上の取引関係等を随時確認しています。取締役会には、四半期ごとに当社グループにおける個別の銘柄ごとの営業上の取引関係等と資本コストを勘案して保有方針通りの対応が行われているかを報告しています。
政策保有株式に係る議決権の行使については、議案が当該株式の価値向上に資するか否かを判断のうえ、当社グループにおける営業上の取引関係等と資本コストを勘案して総合的に判断しています。
株主との建設的な対話に関する方針(関連CGコード 5-1)
代表取締役社長は、株主の意見が取締役会全体に確実に共有されるよう努めます。当社は、会社法、金融商品取引法その他関係法令に従った法定開示および自主規制機関の要請する開示ならびにIR等の任意開示により必要十分な情報の適時・適切な開示に努めるとともに、経営陣(執行役員を含む)、社外役員を含む取締役または監査役が株主と建設的な対話を行うものとします。この際は、インサイダー情報を厳重に管理するとともに株主間において実質的な情報格差が生じないように十分留意するものとします。当社は、株主との建設的な対話を促進するための体制整備に努めます。
株主からの対話の申込みについては、原則として執行役員以上の者と総務部広報IR担当者の2名以上で対応するものとしており、総務部が中心となって経理部および社長室等が連携し、合理的な範囲で対応するよう努めています。
第87期(2024年5月期)における機関投資家、証券アナリスト等との対話における主なテーマとしては、資本市場における当社グループの役割や業界動向、資本コストの考え方や中期経営計画、今後の成長ドライバーについて等であり、また個別面談以外にも、決算説明会やその配信を当社ホームページ等において公開し、株主に対して事業の状況を適宜説明しています。
対話の内容については、その都度代表取締役社長にフィードバックしており、経営の参考とし、継続的に企業価値の向上に努めるべく、役員や関連部署へも適宜報告しています。
資本政策に関する基本方針(関連CGコード 1-3)
1.資本政策の基本的な考え方
当社グループが株主の皆様に還元する適正な利潤を獲得し、企業価値および株主の皆様の共同の利益を持続的かつ中長期的に向上させるためには、株主、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーとの適切な関係を維持・発展させていくことが極めて重要であり、かつ、お客様の信頼を確保することを前提に、これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行うことが必要であり、このような経営方針こそが当社のディスクロージャーの分野における優位性を保つための基本であると考えています。
各事業のサービスにおいては、これまで以上に付加価値を高めるとともに、新規事業の開拓・育成のための先行投資が必要とされるものと見込まれます。
安定的な事業環境においては、業務遂行を円滑に実施するために必要な内部留保はできていると考えていますが、事業環境の変化を前提として、内部留保を事業投資に充てるとともに、必要に応じてレバレッジをかけて有効に資本を活用してまいります。
2.資本コスト
新規事業の開拓・育成は、お客様の信頼を得て利益を獲得できるようになるには多少の時間がかかるものと考えられ、当面は既存事業の営業利益を前提としてビジネス展開していく必要があります。そのため、コストの安い有利子負債を有効に活用しながら資本コストを下げ、株主還元の原資を確保してまいります。