専門知識やノウハウの蓄積

知識を付加価値として提供するビジネスモデルを根幹とする当社グループにとって、専門知識やノウハウの蓄積など知的資本の強化は持続的成長に欠かせない要素です。会社法・金商法などの開示制度の改正だけではなく、新たな価値をお客様に提供するための知見の積み上げは、私たちの使命を全うするために必要な取り組みです。

主な取り組み

  • 金商法研究
  • IFRS支援
  • グローバルオファリング
  • システム開発
  • IPO支援
  • 法定開示書類制作支援
  • 各種コンサルティング
  • 株主総会支援
  • 通訳・翻訳における教育事業
  • IR支援
  • 会社法研究
  • WEB制作支援
  • 法定書類翻訳

重要テーマ

  • 専門知識の研鑽
  • グループ各社の特性を活かしたイノベーションの実現
  • お客様への適時適切な情報提供

ディスクロージャーに関する専門知識の蓄積

当社グループの中核企業である宝印刷株式会社は、お客様の窓口となる営業担当者、情報提供やチェックを担う研究部門のほか、制作・印刷部門や開示支援ツールの開発・サポート部門まで、開示書類を熟知した専門家集団です。毎年のように改正される法令や、一つの改正が様々な箇所に影響を及ぼすことも多く、お客様に付加価値を提供するためにも、記載項目間の関係性まで詳細に理解しなければなりません。しかし、こうした専門知識を完璧に習得するためには、何年もの時間を要します。宝印刷では、こうした知識習得のために、多角的な研修や勉強会を定期的に実施し人財育成に注力するだけではなく、知見を有する社外の人財とのパートナーシップを強化することにより、実務における知識深耕と併せてさらなる専門知識の習得に注力しています。
また外郭団体との交流を中心とした最新動向の把握など、新たな潮流が企業の情報開示に与える影響を把握するなど、ディスクロージャーのパイオニアとしてお客様を支えるための専門知識を蓄積しています。

専門知識を付加価値として社会に提供

長い間蓄積を続けてきた知識やノウハウを社会に還元するために、当社グループではグループ企業とともに様々な施策を行い、ブランド力の強化に努めています。
例えば、上場準備企業において不足している上場準備担当者を育成することを目的に、当社グループは、2008年に一般社団法人日本IPO実務検定協会に出資しました。上場に関する実務を身に付けることができる場所は上場準備企業や監査法人の株式公開支援部、証券会社の公開引受部・審査部などに限られています。このため、上場準備スタッフは構造的・慢性的に不足しがちです。これは新興企業の資金調達の道を狭め、その成長を阻害するものであり、日本経済にとっては明らかにマイナスとなります。
このような事態を防ぐためには、安定的に一定数以上の上場準備担当者が生まれるような「仕組み」が必要であり、それは日本経済の持続的な発展に必要な「社会的インフラ」でもあります。ベンチャー企業の上場を促進し、その結果として日本経済の活性化が図られるという「社会的インフラ」を当社グループが社会に提供する価値として創出しています。
また、株式会社ディスクロージャー&IR総合研究所では、資本市場をめぐる情報を俯瞰しながら、より専門的な分野において調査・研究を実施しています。調査・分析結果はお客様に対しセミナーを通して知見を発信するほか、情報を求める多くの開示担当者に広く知見をお届けするために、各種書籍を発行するなどのかたちで資本市場の活性化に貢献しています。

組織力を生かした専門的コンサルティングを提供

当社グループでは、ディスクロージャー&IRにおける多角的な分野で培った専門知識やノウハウを集結させ、コンサルティングとしてお客様に付加価値を提供する体制を構築しています。当社グループのコンサルティングでは、企業の複雑な開示実務を幅広く習得した知見と、開示システムを間違うことなく使いこなすノウハウ、IRの知見を駆使してお客様の企業価値を最適に表現する提案力、それぞれの能力を結集させることでトータルにお客様を支援しています。例えば、創業以来約20年間IPOコンサルティング会社として企業のIPOに係る申請書類作成支援を中心としたサービスを展開しているグループ会社の株式会社タスクでは、上場審査関連コンサルティングのほか、経営戦略コンサルティングにも注力しています。お客様の要望に合わせて、こうした付加価値を持つグループ企業との連携をすぐに取れることは、当社グループの強みの一つでもあります。専門知識を備えた組織力が、「多様なお客様ニーズに的確に応えるコンサルティング」というサービスを創出しています。

専門知識を根幹に据えたシステム開発

開示決算業務における正確性・効率性を向上させるため、私たちは法定開示書類作成システム「X Smart./ WizLabo シリーズ」を提供しています。ディスクロージャー関連の法令・規則等の改正への対応はもとより、お客様の業務範囲の拡大、作成文書の多様化、業務担当者のジョブローテーションなどがあっても、短期間でツールの操作方法を習得できるよう、操作性の改善を日々行っています。
開示決算の自動化システムは、ディスクロージャーの専門知識のほか、システム構築のノウハウがなければ実現できません。こうしたノウハウを確固たるものにすべく、当社グループではシステム開発を行う部門を強化するほか、グループ会社との連携を強化し、戦略的な投資を継続的に行うことで、「システムを通してお客様に新たな価値を提供する地盤」を強固なものにしています。

グループ会社間のシナジー創出

2021年8月より宝印刷株式会社翻訳部門であるグローバルリレーションズ部と株式会社サイマル・インターナショナルによる協働プロジェクトを開始しました。両社のリソースをフルに活用することを前提とした最適な業務フロー並びに協働体制の策定を進めています。そのプロジェクトの第一歩として、新しい翻訳者獲得に向け、サイマル・アカデミー初のディスクロージャー翻訳講座を開講しました。宝印刷株式会社翻訳部門の社員が講師を務め、両社が一緒に企画を練り上げた本講座内容は、受講者から高い評価をいただき、即戦力になる翻訳者の発掘につながっています。
今後もグループ会社間の連携を深め、さらなるコラボレーションの強化により、シナジーの創出を目指していきます。

サイマル・アカデミー
株式会社サイマル・インターナショナルが運営する通訳・翻訳者の養成学校。これまでに当アカデミーが輩出した英語通訳者・翻訳者は約1,200名、専属通訳者に占める修了者の割合は約75%を占めています。